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*H.I.インフォメーション 2008年3月号
date: 2008年3月10日    code: 195317645

「3月」、という言葉の響きに、こわばった身体も思わず緩みます。とは言え、まだまだ吹く風は冷たく、遅く咲いた梅の花もなかなか散ろうとしません。
それでも我々に足踏みは許されないはず。新年度に向けての新たな戦略、共に練らせていただければ幸いです

◆◇◆◇◇“現場力の重要性について考える” その1 3PLにおける現場力1◆◇◆◇◇
前号までのテーマであった“いい会社とは?”。あまりにも漠然とした響きに、素通りされた方も多かったのでは?(内容は濃かったのですがー)今回テーマにしたのが“現場力”。“いい会社”に益々近づいていただくためのノウハウをお伝えしていきます。
先日、大手卸の物流担当の方とお会いした際、物流業者の選択基準として重視しているのがセンターや配送現場における物流品質=現場力であると、自ら語っておられました。今日、物流業界はまさに“サードパーティ・ロジスティクス”3PLブームと言って過言ではないほど。しかし、私は講演の中でも幾度となくお話しさせていただいていることなのですが、3PLについてはいくつかの留意すべきポイントがあると思うのです。まず第一に、3PLは苦しい経営を改善させるための魔法の薬には、決してならないことをよく理解しておくということ。“3PL”、言葉の響きはいいのですが、つまり物流アウトソーシングの集大成ですから、仕組みを持っていないまま受託すると組み合わせによっては、大幅な赤字を生み出すことにもなりかねません。物流を一括して受託するのですから、当然全責任が振りかかってきます。その時に発生するリスク、その費用負担、センター立ち上げに伴う人的・物理的な負担など様々です。また、3PLなど、この種の業務契約に多く見られる通過金額をベースとした契約制度(歩率契約)においては、その季節波動も飲み込んでいないと利益を得ることは難しいでしょう。3PLを先駆的にやってきて成功した企業には、それなりの苦い経験があります。彼らの成功の歴史は、取りも直さず失敗の積み重ねと、その対策を構築しつつ、乗り越えてきた苦労の歴史でもあります。ノウハウの蓄積もないまま、いきなり物流の一括受託を行い、3PLとして展開しても簡単に利益を得ることは容易ではありません。それでも、第一歩を踏み出すのであれば、まず地道に“人”固め、すなわち力強い“現場力”を築く事が先決です。

◆◇◆◇◇“現場力の重要性について考える” その2 3PLにおける現場力2◆◇◆◇◇
3PLの先駆的な企業では、一括受託したセンターを立ち上げるためのプロジェクト要員を揃えています。人材不足のまま、立ち上げなどの負担を抱え込むと、現在の現場に支障をきたすことになります。現場力のある会社は実に多くの、いわゆる待機要員を用意しています。欠勤が出た場合でも、支障なく運営できます。パートから責任者に至るまで、組織的なオペレーションを遂行しています。ですから、一人二人ラインから外しても、現場に支障をきたすことなく、新しい現場の立ち上げに臨めます。そこでまた、人材が育ち、次の現場立ち上げ、とリズミカルな展開ができるのです。現場力=人材あって、初めて3PL事業の成功が可能となります。
現場力の概念は、物流子会社や荷主企業で物流業者選定の基準として今日、盛んに用いられるようになってきています。現場力とは、もちろん物流現場における処理能力のことを言いますが、昨今はここに他の意味も含まれている様です。物流の現場において「問題発生時の処理・対応が重要であること」、はこれまで何度も説明してきました。そして、処理対応をより適格に、迅速に行るかどうかが「現場力」にかかっています。ここに必用なのは「顧客サービス」であり、またそれを行う「優秀な人材」です。「現場力」を養うために大切な物流品質の基礎となるのがやはり「人材」です。もちろん、対応の迅速さ、ローコストオペレーションの実施、荷主ニーズへの柔軟な対応、などは言うまでもありません。この様なことから、ご理解いただけると思いますが、現代における「現場力」とは、「物流品質」+「顧客サービス」が加わってはじめて成り立つものなのです。「現場力」は、荷主が物流業者を選定する重要なカギとなります。常に何らかのメリット還元を荷主から要求され続けるのが現在の物流業界の宿命と言えるでしょう。競争激化の苦しい時代ですが、原点に立ち返り、「現場力」の意味を今一度、考えていただきたいと思います。
皆様が現在お持ちの「現場力」をさらに引き上げるためにまず、社員全員に「顧客第一主義」、「現場第一主義」、「人間第一主義」の3つを徹底させましょう。現場においてそのサービスが繰り返され、積み上げられ、そこに必ず良い風が吹くと信じます。

◆◇◆◇◇2015年にドライバー14万人不足へ、国交省検討委員会予測、経済への影響を懸念◆◇◆◇◇
年々、数が不足になって行くドライバー。その安定確保のために設置されたのが国土交通省(国交省)直属の「トラックドライバーを安定的に確保するための方策に関する検討委員会」(委員長=齊藤実神奈川大学教授)です。この度、この委員会が2月15日に開催した会合でトラックドライバーの需給予測に関する報告を行い、2015年度になると約14万人が不足するとの見方を示しました。
これは必要ドライバー数や、供給数を予測し、2015年度の営業用トラックドライバーの需給をみたものです。いくつかのパターンのうちでドライバー供給数が“経済成長率パターンで変動する”とした場合、まず標準的なケースでは2015年度の必要数883,330人に対して、ドライバー供給数は742,190人に留まり、不足数は141,148人となる、との予測を示しています。また“経済成長率が非常に低い”ケースでは同じく、必要ドライバー数769,526人に対して供給数が778,785人で、供給数が9,259人上回る見込みです。この場合は、ドライバー不足は発生しないことになります。しかし、経済が順調に成長すれば需要も増え、輸送量も順調に推移することになり、他産業との賃金格差が拡大し、必要ドライバー数はますます確保できないことになります。現在の成長率を維持し続けた場合、2010年度には74,076人のドライバー不足が見込まれています。
一方成長率ではなく、“賃金格差をベース”に検討した場合でも、2015年度には149,432人の不足が見込まれることになります。厚生労働省の研究調査によると、2005年から10年間で、労働力そのものも150万人不足すると発表されており、今回の検討委員会の報告はそれを裏付けることになります。このままでは、深刻なドライバー不足は避けられず、日本経済と生活を支える物流に支障をきたすことになります。ドライバー不足問題を早急に解決することが国策として必要でしょう。

◆◇◆◇◇閣僚申し合わせ、下請け取引対策として3万社の実態調査を実施◆◇◆◇◇
年度末に向けた中小企業対策に関する関係閣僚会議が開催され、(1)金融対策(2)下請取引対策(3)広報対策を柱に協議を行うことを申し合わせました。
この中で、下請取引対策として、“運賃改定交渉に行う際の元請による不当行為”や、“荷主による物流特殊指定違反行為(独占禁止法)”に対する監視を強化することにしました。このために、物流業者3万社を対象に特別調査を実施するとともに、荷主と元請け間の取引、よび下請取引についての調査を専門的に行う「物流調査タスクフォース」を設置することにしています。
さらに、過去における元請け物流業者の“下請け法違反事件処理”に関し、荷主による独禁法違反行為がなかったかどうかも調査する予定です。管轄の国土交通省(国交省)は、燃料価格の変動によるコストの増減分を別建て費用とする“燃料サーチャージ制度”の導入、“社会保険未加入事業者に対する処分強化(貨物自動車運送事業法)”、“輸送安全確保のため荷主との協働化促進”、など荷主団体への緊急要請も含め対策を検討、早急に実施する考えです。金融対策としては、セーフティネット保証の対象業種の指定期間を6月末まで3ヶ月延長し、対象業種も3月初旬までに追加する考えです。
原油価格高騰による中小企業の経営実態調査がクリーニング業を手始めとして行われましたが、これに続き2月25日に物流業でも古屋運送(古屋芳彦社長、東京都杉並区)を自民党の伊吹文明幹事長、谷垣禎一政調会長らが視察、軽油価格高騰の現状や荷主に対する値上げ交渉の進捗状況、ドライバーの賃金実態など調査しました。古屋社長からの説明を受け、伊吹幹事長と谷垣政調会長は政府も協力し問題の解決にあたる考えを示しました。トラック運送業界を取り巻く経営環境の悪化は、自助努力の範囲を超えています。当然、手遅れを指摘したい処ですが、それでも政府への緊急対策実施を早急に望みます。

◆◇◆◇◇国土交通省、荷主勧告の適用を拡大へ、過積載に加え過労の強要に対しも罰則を検討◆◇◆◇◇
国土交通省(国交省)はトラック事業法の規定による「荷主勧告」の適用範囲を拡大する方向で検討を開始しました。年内にも適用範囲を定めた通達を改正し、実施する考えです。
荷主勧告は1989年トラック事業法の制定時に規定されたもので、運用方法を定めた通達で「過積載」に限って適用することになっています。また、経済産業省との協議を経て発動することになっているこの勧告は、これまで元請に対して発動されたことはありますが、真荷主に対してなされたことはありません。
国交省では、元請下請け関係、荷主・元請け関係の健全化を図る一環として、荷主とトラック事業者の間で安全運行のための適正な取引が行われているかどうか見直し調査を行ってきました。この調査によって、過積載以外にも“過労運転”、“速度超過”につながる一方的な荷主からのトラック事業者に対する発注が存在することが明らかとなり、荷主勧告の適用範囲を見直すことにしたものです。目安としているのは、国交省が先に策定した「安全運行パートナーシップ・ガイドライン」。同ガイドラインでは、荷主がトラック事業者の安全運行を阻害するケースとして(1)積込み前の貨物量の増加(過積載)(2)到着時間の遅れによるペナルティ(3)安全確保ができない無理な運行依頼、などの事例を示しています。荷主に対し、これらの事例に当てはまる行為にも、発動の適用範囲を広げるとのこと。また、3月末を目処に策定している「下請け・荷主適正取引ガイドライン」にも反映することにしました。このガイドラインは「トラック運送業における下請・荷主適正取引推進ガイドライン」検討委員会(座長=野尻俊明流通経済大学学長)が検討しているもので、燃料高騰による運賃転嫁で、荷主と事業者の適正な負担配分を模索するもの。検討内容は(1)燃料サーチャージ制度の導入(2)運賃原価計算マニュアルの導入(3)問題となる取引防止体制(4)トラック事業法による荷主勧告制度の拡大(5)適正な競争環境を確保するためのコンプライアンスに向けた関連法規に関する試験制度の導入、などが機軸になっています。同委員会では、社会保険未加入問題など法令遵守も含めて検討していくことにしています。

◆◇◆◇◇前埼玉県トラック協会支部長、車庫飛ばし容疑で逮捕、NOxPM法の弊害深刻化◆◇◆◇◇
自動車NOxPM法の規制を逃れるために実態のない場所に営業所を作り、車庫飛ばしをする事業者が多くなりつつあり、この問題が深刻化しています。埼玉県警幸手署は2月18日、NOxPM法の規制をはずれる場所に名義上の営業所を作り、車検を受け運行させる、いわゆる“車庫飛ばし”をしていたとして、協立運輸(埼玉県栗橋町)の遠藤勝三社長ら3人を逮捕しました。遠藤容疑者は、栗橋町町議員で、前町議会議長や埼玉県トラック協会久喜支部前支部長の要職にあっただけに問題の深刻さが浮き彫りにされています。
大都市圏での排ガスを規制する目的で施行されているNOxPM法をめぐっては、確かに対象地域とその他の地域との格差が以前から指摘されていました。ご存知の通りNOxPM法では一定の車齢を超えて対象地域での車検が継続できなくなります。対象外地域では車検を継続して受けることができる他、流入規制をしている8都県市などでも排ガス低減装置(DPF)を装着することで問題なく営業できるのです。そのため、対象地域(東京・千葉・埼玉・神奈川・愛知・三重県の一部、大阪・兵庫各県)の事業者の中では名義だけの事業所を対象地域外に設け、車検を継続する“車庫飛ばし”が後を絶たなくなりました。
軽油高騰、過当競争などによって経営基盤が弱体化している運送業者にとって、新車を購入するのは大きな負担となって当たり前。トラック協会の要職・町議会の要職を経験していた遠藤容疑者が自らも違反と知りながら、“車庫飛ばし”をせざるを得なかったー、それ程経営環境の悪化は深刻でした。この問題が決して他人事ではないことを多くの業者は知っています。何よりもこれらの事件を通し、一方的に規制を厳しくするだけでは決して問題解決につながらないことを、関係各所に痛感して欲しい、切にそう願います。

◆◇◆◇◇お知らせ◆◇◆◇◇
・中小物流業者の経営強化を目指す「コラボネット協同組合」(長尾定一理事長)では、物流業の地位向上と営業力強化を図り、大手に負けない情報インフラとネットワークサービスの構築を目指し、ソフトウエアのASPサービス、幹部・経営者などの育成プログラム、サードパーティ・ロジスティクス実践のための活動を展開しております。説明会も随時実施しており、次回は 3月17日午後1時から富士火災池袋支店会議室にて、第3回セミナーを開催します。特別講演として、(株)ビッグバンの砂川玄任社長が「中小企業のためのIT革命」のテーマ、富士火災海上保険(株)法人金融本部の真壁政信部長が「XBRL革命への対応と企業統治」のテーマでそれぞれ講演されます。弊社代表の岩崎も「物流業のネットワーク活用とその確立」のテーマで講演いたします。参加無料。(問合せは、042-946-2471(株)ナガオ内。)
・“物流改善を進める会”(事務局=ロジスティクスIT研究所)主催による物流改善セミナーが3月18日午後1時から5時まで、家の光会館にて開催されます。(株)セル・ホールディングスの三浦弘人社長が「人材教育のあり方」、ロジザード(株)の遠藤八郎会長が「3PLの物流現場を速攻で改善し、現場長の収益意識を向上させる」、(株)シーネットの内野靖常務が「食の安全・安心に対応したトレサビリティの取り組み」、(株)ビッグバンの鈴木博巳マネージャーが「運送事業における法的要請と内部統制ツール活用」、(株)イーソーコ研究所の花房陵主席コンサルタントが「魅せる物流の診断から対策実行」、それぞれのテーマで講演されます。参加費用は1名5千円。定員は100名で、定員になり次第締め切り。問合は03-5765-5799まで。
・あいおい損害保険はこのほど物流業者が簡易にグリーン経営認証できるサービスを開始しました。インターネットを活用して、支援ソフトを使い簡単にグリーン経営認証対象の帳票ができあがるものです。(株)ジェイアイズとのタイアップで実現したもので、今ならば初期費用31.500円は無料となります。グリーン経営認証を取得したいとお考えの企業は是非この機会にご検討ください。(問い合わせ06-6881-2030ジェイアイズ窓口まで。)
・HIプランニングでは、各種課題に最適なソリューションを提供させていただきます。物流改善はオーデック、物流コスト管理は船井総研ロジとエルエスフィス、システム面はビッグバン、東研、車載機器メーカー各社などと提携を致し、皆様のお役に立つ情報を用意し、問題解決に通じる体制を整えております。是非、ご相談ください。
・ドライバーの眼精疲労による走行中の事故やバックで入庫する際などの事故が多発しています。このような事故を削減し、安全性の向上に役立つのが日本ヴューテック社製の「リアヴューモニター」です。より安価な「ナイスヴューモニター」もあります。弊社からの紹介で、安価で購入することができます。お問い合わせください。
・経営強化のために、欠くことができないのが労務対策です。労働基準監督署の監査が強化され対策が必要とされています。HIプランニングでは、加藤マネージメントサービス事務所と提携し、労務問題を中心として、就業規則の改定など各種サービスを提供させていただいております。是非、この機会にご相談ください。
・HIプランニングでは、簡易物流診断サービスを提供させていただいております。この機会に物流診断を活用されるようにお勧めいたします。

お問い合わせは、事務局 岩崎まで
有限会社H.I.プランニング 243-0025厚木市上落合697−2 
Tel/Fax046-230-0890
代表 岩崎 仁志
E-mail : h-iwasaki@mva.biglobe.ne.jp


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